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水紀行 - 福岡その壱 香椎宮の不老水


不老水 - 水紀行(福岡その壱香椎)


 急に決まった福岡行き。二泊しかしないが、せっかくだから湧水のひとつでも観てきたいと、とりあえず開いた名水百選のサイト。すぐに見つかりました。あるではないか、「香椎宮の不老水」。
 だいたいの道順が浮かび、空港から近い事がわかりました。福岡には住んだことはありませんが、父の郷里なのでしばしば訪れているため多少は土地勘があります。しかしそれが大きな勘違いだというのは後でわかりました。

 という具合に、私の突然の水めぐり福岡香椎の旅は始まりました。まず香椎宮に向かい、その後プチ観光と昼食のために向った志賀島の金印公園で偶然湧水を発見。そして、急激な開発が進む福岡市郊外の現状を確認するために志免平成の森公園に向いました。
香椎宮

香椎宮  香椎宮鳥居

香椎宮御神木「綾杉」  香椎宮菖蒲池

 もちろん不老水を訪ねる前に、香椎宮を参拝しました。菖蒲池・御神木「綾杉」の横を通り本殿へ向います。
 全国十七勅祭社の一つであるという香椎宮。日本唯一とされる建築様式香椎造の本殿ですが、実際のところどこが特徴的なのかはわかりませんでした。本来であればもう少しゆっくり留まりたかったのですが。
 本殿にて参拝を済ませ、不老水の写真を撮らせていただくお許しを請い、不老水へと向いました。
不老水

 閉門時間午後3時まで僅かしか時間がありません。頭に案内地図をたたき込み、本殿向って右手の道から古宮の横を抜け、道順通りに進んだつもりが突き当たるはずの道が延々と続く。
 近くに居た帰宅中の中学生に道を尋ねようやく閉門時間ぎりぎりに不老水に辿りつきました。道を教えてくれた地元の中学生2人、ありがとう。
 後でわかったことですが、実際はこんなにあわてる必要はありませんでした。当日は休日で参拝者が多いので通常より遅くまで開けていたようです。まあ、特別な配慮がある時もあるという事で、お訪ねになる際は午後3時閉門と思っておいて下さい。

名水百選「香椎宮不老水」1  名水百選「香椎宮不老水」2

名水百選「香椎宮不老水」御由緒絵  名水百選「香椎宮不老水」説明板

 環境省選定名水百選にもその名を連ねる「不老水」。とても残念なことではありますが、その水質は劣化し煮沸しなければ飲用には適さないようです。
 写真をご覧になってもわかるとおり、地下水(井戸)ですね。井戸やそのまわりも含め、清掃が行き届き、とても清潔に保たれていました。

香椎宮不老水を育む森  香椎宮不老水に隣接する住宅地

 左の写真が「不老水」の裏山、そして右の写真が裏山のさらに奥、大規模宅地開発が行われている場所です。これだけ大規模な宅地開発が行われ山が削られれば、地下水の水質劣化は当然の結果でしょう。
 地図がわかりずらいのは実はこの宅地開発が原因です。開発前に描かれた地図であるため、新しい道が載っていません。それがわかっていれば、そんなに迷うことはないでしょう。

 香椎宮に到る道もそうだったのですが、香椎から志賀島へ到る道でも感じたことは、福岡は大きく変わっているということです。このまま発展すれば関西圏を凌ぐ経済圏に発展するのではと思わせるほどの変わりようでした。
 香椎付近は副都心として今、開発の真っ最中。しかし勅使道はなにかしらの臨在感を感じさせる昔ながらの風情を保っているように感じました。まあ、ただ単に景観保全の条例でもあるからだけかもしれませんが。
 私の母は香椎高校に通っていました。果たして私が見た景色は今は亡き母の記憶と少しでも一致していたのでしょうか。

金印公園 - 水紀行(福岡その壱香椎)


 海の中道を渡って志賀島へ。金印公園は島の南側、博多湾側の海岸沿いにあり、能古島・玄海島がすぐそばに見え、はるか遠くには福岡市街地のビル群もかすかに見えます。なにげなく立ち寄った金印公園ではありますが、そこで偶然にも湧水を見つけました。
金印公園

金印公園1  金印公園2

金印公園の湧水1  金印公園の湧水2

 金印公園に登る階段の横、山道の入口に湧水がありました。その量はごくわずかで、清冽さなど問われようもありませんが、離島の方たちにとっては貴重な存在でしょう。
 地元の人が売っていた獲れたてのサザエをその場で炭で焼いてもらい、頂きました。

金印公園入口  博多湾

 写真では確認できませんが、遠くに福岡市街地が見えます。金印(漢委奴国王印)は言うまでもなく「後漢書東夷伝」にその記述が確認できますが、それ以降度々歴史の舞台となる博多の地。しばし、過去に想いを馳せるのもたまには良いものです。

魚処「わき」  魚処「わき」店内生簀

 さて、志賀島を訪れた本来の目的の地へ向います。魚処「わき」。道路を挟んで海岸沿い、島の西側にありますので、太平洋側に住んでいる人は観る事ができない海に沈む太陽を見ながら食事ができることでしょう。
 私は、昼食をこちらでいただきました。獲れたての魚を、店内の生簀に放ち、それを注文があってからさばくのですから新鮮なのは言うまでもありません。福岡に住む人たちがわざわざ来るくらいですから、旅行で福岡に行った折には是非お立ち寄り下さい。お勧めです。

御手水の滝 - 水紀行(福岡その壱香椎)


 桜丘宅地開発が行われたのはもう何年前でしょうか。まだ九州北部そして福岡が現在の成長軌道に乗る前の頃です。実は最初はゴルフ場を造る予定だったと聞いたことがあります。しかし、石ころばかりの土地でゴルフ場には向かず、しょうがなくハウスメーカーに売却されたとか。
 何にせよいくつかの大切なものと引き換えに、開発は行われました。
志免平成の森公園

御手水の沢1  御手水の沢2

 うっそうとした森の中の谷に沢があります。この沢の上流は崖になっていて、かつては「御手水の滝」と呼ばれる滝があったそうです。修験道の行場であったそうで、写真には写しませんでしたが、小さな祠がそばにあり、かつての有り様を偲ばせます。

志免平成の森公園  志免平成の森公園案内図

 振り返ればこの風景、「志免平成の森公園」。滝のあった場所は、この公園の行き止まりで、そこまでの場所はこのようにきれいに公園として整備されています。
桜丘中央公園

桜丘中央公園の池1  桜丘中央公園の池2

 沢の水は実はこの桜丘中央公園の池から流れ出ています。湧水の逃げ場にすると同時に、開発により保水力を失った山の機能を補完する意味合いも持っています。桜丘のど真ん中にありながら、この池は隣接する吉原の飛び地となっています。
 この池の水は渇水時には水道水として活用される志免町の予備水道水源でもあるそうです。


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