清水窪弁財天 – 東京都大田区北千束

しみずくぼべんざいてん　[ 湧水 ]
「東京の名湧水57選」のひとつ。湧出した水は地下を通り洗足池へたどり着く。

詳細

清水窪弁財天の周辺には、自由が丘、奥沢、大岡山、碑文谷、小山など丘と谷、沢の地名が目に付きます。
現在は、北千束という町名になっていますが、「清水窪弁財天」のある場所は町名も、かつては清水窪という町名だったようです。

東京特別区都市部の中でも、もともと海であった東部の平坦な土地とは違い、西部の丘陵地は谷戸の広がる稲作地帯であったのでしょう。
縄文海進により平坦になったとはいえ、今も尚、坂の多い地形がかつての有り様を偲ばせます。

「清水窪弁財天」の湧水自体はその量少なく、湧出した水も地下を通して千束池へながされているようです。しかし周辺一帯の湧水量をあわせれば、未だ豊富な湧水量を誇っているようで、自然の力強さを感じさせます。

人的汚染要因が多い都市部の地下水や湧水は、それに日々頼ることの危険性を認識せざるを得ませんが、しかしその事実は保全活動をなんら妨げる理由とはなりません。
今、各地の自治体で湧水保全や雨水の地下への浸透のしくみを推進する活動が進められているようですが、それは評価されるべきです。

しかしこの活動には排水路の確保という重要な課題が同時に発生します。流れ行く先のない湧水は都市部では邪魔なものとしか評価されません。
その点、排水路が充分に整備された「清水窪弁財天」の湧水は地域を潤す湧水として地元の人々に愛されていくことでしょう。

場所：東京都大田区北千束
東急「大岡山」下車、徒歩10分

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