水紀行 - 千葉その壱 佐倉城址
佐倉城址公園の湧水を訪ねました。先に「小篠塚湧水群」に行った後、JR佐倉駅から歩いて向いました。城内町の道を真っ直ぐ佐倉城址公園に向って歩きます。
ここには「国立歴史民族博物館」があるので二回ほど来たことがあります。しかし城址を歩くのは初めてです。佐倉城は近世の平城です。甘く見ていて大変なことになりました。
佐倉城址公園西麓・舟隠しの湧き水
佐倉中学と佐倉東高校の間を抜け城址公園の中に入りました。深い堀に幾重にも囲われた本丸あたりまでたどり着きました。
「舟隠しの湧き水」がある城址公園西麓はすぐそこのはずです。でも道がありません。地図でちゃんと調べてくれば良かった。無駄な回り道をし、結局は「国立歴史民族博物館」のそばまで行き、そこから坂道を下り西麓の堀にたどりつきました。
ここが城址公園西麓の舟隠しです。「舟隠しの湧き水」は堀の崖から湧出しているそうですがここからは確認のしようがありません。結局、湧出場所は見つけることができませんでしたが、この崖のどこかから湧水が湧き出ています。
城址公園南麓・中の池湧水
さて、次は南麓の「中の池湧水」を探すわけですが、もう城址公園に入るのはやめました。平城の道はわかりづらい。外堀から南麓に回り込みました。
午後5時、まだ陽の長い6月。何人もの市民ランナーに追い抜かれながら、外堀沿いに南麓から城址に再び入りました。水の流れがあったので、それをさかのぼることで「中の池湧水」はすぐに見つかりました。
「中の池湧水」は正確には湧水池でした。さらに坂の上からの水の流れもあり、この地点での湧出は確認できませんでした。下流への水の流れは途絶えること無く、この「中の池湧水」も滅失せずに常に存在していると言うことは、湧水は確かに絶えず湧出しているのでしょう。
佐倉城址公園
佐倉城址公園のかつての案内地図と、現在の案内地図です。少し傾きが違うのでわかりずらいですが、かつての本丸はもっとたくさんの堀に囲まれていたようです。
南麓側にあった茶室と、「国立歴史民族博物館」です。「国立歴史民族博物館」は一度は訪れてみても良いかもしれません。見ごたえのある展示物がたくさんあります。
「鷹匠清水」は正確には佐倉城址公園の外、城址公園と佐倉東高校の間の斜面から湧出しています。地域の方々によってしっかりとした保全活動が行われています。
佐倉城址公園・鷹匠清水
崖下に湧水がありました。数箇所から湧出しているようです。湧水は小さな池となっていました。
湧水池のそばの湿地帯は立ち入り禁止の処置が施され、生物の発育が見守られているようです。「鷹匠清水」背後の森は豊かな緑に覆われていました。
JR佐倉駅への帰路、少しだけ遠回りをして「くもの井」に寄ってみました。鏑木町鏑木坂の坂下にある湧水です。
くもの井
「くもの井」は、丘を緩やかに登るために造られた県道の橋の下にありました。井戸枠から流れ出ているので井戸のようにみえますが湧水だそうです。
鏑木坂の丘は竹林に覆われ、季節の花が咲いていました。この竹林が湧水を育んでいるのでしょうか。
「くもの井」と同じような井戸枠は近隣の民家の敷地内にも見られました。この付近では、このようにして生活水を確保していたのでしょう。
陽がかげって来ました。夕暮れとともに今回の佐倉湧水巡りの旅は終わろうとしています。この「佐倉城址」には「小篠塚湧水群」のあとに訪れています。様々なものを一日で観て、体力も使い果たし、思考が停止しています。
帰りの電車は東京行きを選ぼう。千葉行きでは乗り換えなければならない。総武線快速の車内であっという間に心地よい眠りについたのは言うまでもありません。
帰りの電車は東京行きを選ぼう。千葉行きでは乗り換えなければならない。総武線快速の車内であっという間に心地よい眠りについたのは言うまでもありません。
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