おたかのみち・ますがたのいけゆうすいぐん [ 湧水 ]
「東京の名湧水57選」のひとつ。「名水百選」にも選定される国分寺市の水量豊富な湧水群。
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詳細
環境省選定「名水百選」、「東京の名湧水57選」に選定されている「お鷹の道・真姿の池湧水群」。
古多摩川が生んだ国分寺崖線、通称「ハケ」の湧水で、上水道が普及した現在でも、水を取りにくる方が絶えない地域生活に密着した湧水であるようです。
国分寺崖線は、現在は多摩川から遠く離れた場所にありますが、かつては多摩川は現在よりも北側を流れていたそうで、その頃に武蔵野台地を多摩川が浸蝕して出来上がった30kmにも及ぶ段丘です。
国分寺から小金井、三鷹、調布、狛江、世田谷等々力に到る国分寺崖線は、通称「ハケ」と呼ばれています。
「真姿の池湧水群」から流れ出た湧水が野川と呼ばれる川になり、その川沿いの小道が「お鷹の道」と呼ばれています。
武蔵国分寺や旧武蔵国分寺跡、武蔵国分寺公園に囲まれるように存在し、周辺は区画整理事業も行われていないところを観ると、この丘周辺は保全されていくようです。
この湧水には、「名水百選」に選出されたあとも、その水質の劣化や周辺環境の破壊といった報告はないようです。元々、上水道が整備されたあとも湧水の清冽さを維持できる環境にあり、また観光資源としての役割も低かったからでしょうか。
数ある国分寺崖線の湧水の中でこの湧水が「名水百選」に選出されたのは、もちろん国分寺の存在が大きいでしょう。
現在、東京と呼ばれている地域の政経の中心は、武蔵野台地の上にありました。
奈良時代の頃にはすでに奥東京湾は、河川が運んだ土砂によって平らな土地を形成していたようですが、しかし、そこへは人は移り住みませんでした。水がなかったことがその一番の要因でしょう。水がないところでは人は住めません。
環境省の「名水百選」サイトの「お鷹の道・真姿の池湧水群」ページには、「飲用としては不適」の記述があります。しかし、にも関わらず現在でもこの水を持ち帰る人たちがいます。
その人たちが、この湧水をそのまま飲んでいるのか煮沸して飲んでいるのかはわかりませんが、都市部に住んでいる人、少なくとも首都圏で利根川下流域表流水を飲んでいる人には、この人たちの行動が理解できるでしょう。
「名水百選」に選ばれながら、「飲用としては不適」とされ、しかし地域の人々がかつてと変わらずに飲用としている。なんとも不思議な話です。
画像
参考資料
リンク
アクセス
場所:東京都国分寺市西元町
JR「国分寺」下車徒歩15分
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