風布川・日本水 – 埼玉県大里郡寄居町大字風布

ふうっぷがわ・やまとみず [ 湧水 ]
1985年環境庁選定名水百選のひとつ。釜伏山から北側へ流れ出る風布川とその源泉になっている湧水。

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詳細

日本水は、釜伏山から北側へ流れ出る風布川の源泉になっている湧水で、その風布川とともに名水百選のひとつに選定されています。

選定以前よりこの湧水の評判は高く、寄居町ではこの湧水を名水百選選定を契機に町おこしの起爆剤にしようとのもくろみがあったのでしょう。ミネラルウオーターの販売や、名水の名を冠した地域特産の梅を使った梅ワイン「風布川」の商品化などにその動きが見られます。
また同時に「全国水環境保全市町村シンポジウム」(名水シンポジウム)を開催するなど、名水の里としてのイメージ定着にも余念がなかった。

しかし有名になったのが災いし、休日には首都圏各地から名水ファンがどっと押し寄せ、当時は源泉近くまで車で行けたため、車で源泉までやって来てプラスチック製タンクに大量の水を詰め込んで帰る人が日増しに目立つようになります。
一口飲むためだけの人を含め、行列は多い時には数十人に及び待ち時間は数時間以上になることもしばしばであったようです。

この状況を改善するために、地元・埼玉県寄居町「風布川日本水保存会」は、山道の入り口周辺に40台程度を収容出来る駐車場を設けたうえで、山道入り口にくいを打つなどして車をシャットアウトし、大量の水を車で持ち出せないよう規制するようせざるを得なくなりました。
現在は、日本水源泉は岩場崩落の恐れがあるとの理由で、立ち入り禁止となっています。

選定から時は経ち現在では、風布川沿いにハイキングコース「風のみち」が整備され、その先にはハイカーらに憩いの場所として親しまれている公園「日本の里」があります。

ハイキングコース「風のみち」は、風布川沿い4kmにわたって整備されたコースで、落差3m弱の二つの小さな滝「夫婦滝」や、木製の橋や階段、川を渡れる飛び石などもあり湧水でできた清流を充分満喫できるハイキングコースとなっている。
「日本の里」の園内には、水車小屋などが設けられ風情を醸し出し、食堂「風布館」では、地粉を使った手打ちそばとうどんや名物のユズみそまんじゅうが人気だそうです。

源泉付近は立ち入り禁止ですが、日本の里から約1.5km離れたところに取水設備が用意されており、湧水を取水することは現在も可能です。

さて、「風布(ふうっぷ)」の名は、「朝霧が立ちこめ、風にたなびく布のように一面を覆い尽くす」「山あいからわき出してくる雲が、風に棚引く布のように見える」光景から名付けられたというのが有力だと言われています。
また「ぷ」がアイヌ語で山などを意味することから、「風の山」を意味したとする説もあります。「ふうっぷ」のほかに「ふっぷ」や「ふうぷ」など、読み方にも諸説があるということです。

地元で生まれ育った方の言葉、「ここの自然は豊かな水に支えられている」「いつ来ても、自然を満喫できる場所」。いつまでもそうあることを願いたいものです。

画像

[ Googleイメージ検索 風布川・日本水 ]

参考資料

水と樹へ―埼玉の滝・名水・巨樹めぐり

リンク

アクセス

場所:埼玉県大里郡寄居町大字風布
秩父鉄道「波久礼(はぐれ)駅」下車、徒歩1時間40分
(風のみち入り口まで徒歩15分)

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