甘水谷湧水 | 福岡県朝倉市甘水

[ 湧水 ] 西日本新聞社発行「九州の名水100選」にその名を連ねる朝倉市甘水の湧水。

甘水谷湧水

詳細

西日本新聞社発行「九州の名水100選」に「甘水谷の湧き水」として掲載されてから知られるようになった湧水。西日本新聞社出版部では、九州各県の広報課に依頼し名水にふさわしい水を推薦してもらい、独自に取材して出版したとのこと。
「甘水谷湧水」のそばには、「平成九年度甘木市ふるさと創生基金事業」の名で「九州の名水100選」の記事をそのまま転記掲載した案内板が設置されていました。

「甘水谷湧水」は、現在の時点では飲用に堪え得る湧水ではありません。近くにお住まいの方の話では、清冽であったのは前出の案内板が設置された頃までだったとのこと。しかし、その清らかさは失っても湧出は続き、「甘水谷湧水」の前には湿地が広がっていました。周辺にいくつかの湧出点があるのでしょう。
湧水が清冽さを失ったとは言っても、甘水の水が汚れてしまったわけではありません。甘水地区には水道はなく、各戸がそれぞれ井戸を持ち、清らかなる地下水を生活水として使用しているそうです。
また「甘水谷湧水」のすぐそばには「甘水の銘水」という揚水井戸の採水場があり、休日ともなると多くの方が訪れているそうです。

伝教大使最澄の逸話から「甘水」という地名が生まれたとのこと。「甘水」と表記し「あもうず」と読みます。福岡県春日市にある「白水」という地名が、なぜ「しろうず」と読むようになったのか疑問におもっていたのですが、「甘水」を知るに至り、その疑問が解けたような気がします。二つの地名の共通点は、仮に「白水」を「しらみず」と呼んでいたとしたら、共通点として「あみ」が「おう」に転訛したという仮説が成り立ちます。もっとも「手水」を「ちょうず」と読むことを考えれば、九州北部では「水」をもともと「うず」と呼んでいたのかもしれませんが。
日本語の標準語とは一部の地域で使われていた言葉を発展させ明治以降に造られたものであることを実感します。

現在、「甘水谷湧水」には、私有地を通らないとたどり着けません。水を採水したい方は、「甘水の銘水」へ。けなげにも湧出を続ける「甘水谷湧水」。そっとしておいてあげたいものです。

参考資料

リンク

アクセス

場所:福岡県朝倉市甘水
西鉄甘木線、甘木鉄道「甘木」下車、甘木観光バス「千手」下車徒歩10分

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